Iioka Yukiko Science of Nursing
看護にどのようなイメージをもっていますか?
優しくて笑顔が素敵な看護師、テキパキと働く看護師などでしょうか。
私は、病院でスタッフナースとして働きましたが、「もう一度看護を学びなおそう」と思いました。病院で働き始めると、患者様との出会いや先輩から多くの学びがありましたが、それと同時に看護学生の時にはそれほど深く考えていなかった「そもそも看護って何?」と改めて考えるようになりました。
看護学生の頃に言われた「医学は病気を診る、看護は人を看る」の言葉を覚えていました。しかし、医師も患者様を全人的に捉えるし、ご家族のことも考えています。「もし100人の医療者しかいないとしたら、『医師100人』と、『医師50人と看護師50人』では、患者様はどちらを望むのか」なんて考えたりしました。大学院入学面接の時に、それにきちんと答えられるように看護の独自性を学びたいと伝えたことを覚えています。それから何十年も経っていますが、今も「看護って何だろう」という問いを考え続けています。
さて、看護は目に見えなくて、まわりの環境に影響されやすいので、なかなか言葉では伝わりにくいと感じることはないでしょうか。それでも、“看護の見える化”は大事だと考えています。
これまで私は『看護にどんな効果があるのか』、『チーム医療で看護の果たす役割はなにか』などについて、看護研究という活動で取り組んできました。ほんの少しずつですが、‟かたち"として示せたこともあります。
皆様も「これってどうしてなの?」「これってすごい!」と思うことを、もっとじっくり考えたいと思うことがありませんか?一緒に考えていけたらと思っています。
所属
2017年度-現在
埼玉県立大学 大学院保健医療福祉学研究科 教授
最終学歴
聖路加看護大学看護学研究科博士後期課程修了(現聖路加国際大学)
主な研究テーマ
臨床看護学
(Clinical Nursing)
臨床看護とは、臨床で実践される看護に関する分野です。がん看護学、慢性期看護学などが含まれます。特に、がん看護学(Oncology Nursing)では、がん看護CNS教育に携わり、がん看護の研究を行っています。
看護教育
(Nursing Education)
看護師を育てる看護基礎教育だけでなく、看護師になってから能力をさらに高めるための教育に関する研究活動も行っています。特に、リフレクション、アクティブラーニングに関する研究や、配慮が必要な学生へのFD活動に取り組んでいます。
ウィメンズヘルス
(Women's Health)
女性の生涯にわたる健康という観点から、女性のQOL向上を目指した活動です。特に、更年期女性への支援、更年期医療に関する活動に取り組んでいます。